2007年6月23日土曜日

「受取人不明」鑑賞。


キム・ギドク監督
2001年韓国映画

最近軽くハマっているキム・ギドク監督作品。
なんともヘヴィーな作品だった。。

これまで2本のキム・ギドク監督作品を見たが、この作品はだいぶタイプが違い、登場人物の数もセリフの数も多く、複数の人物のドラマが同時進行で進んでいくというもの。

登場人物がみなそれぞれの人生に傷を持ちながらあがき続けている。
物語が進んでも希望の光はいっこうに見えてこない。
朝鮮戦争の傷跡や米軍基地を絡ませているので「反戦映画」としても捕らえることができる。

乾いた殺伐とした映像はなんともいえない退廃的なムードを漂わせる。
まったくもって疲れるだけの作品だったが、そこに注ぎ込まれた暴力性や欲望などあらゆるエネルギーの熱量が凄まじいので終わるまで画面から目が離せない。
複数の人間が人生にもがきつづけながら、時に交錯しながら同時進行で進んでいくその様は「21g」などアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品のようでもあったが、アレハンドロ監督にはどこか神が見守っているかのような「やさしさ」が感じられるのに対しこの作品は徹底して救いがないので観ていて非常に「痛い」。

というわけでなんとも救いのない作品であった。
疲れている人にはオススメできない。
(生涯585本目の作品)

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