塚本晋也監督
2006年 日本映画
つまらなかった。。
他人の夢の中に入る力を持ったある男。彼は次々と自殺願望者の夢に入り込んではその者を虐殺していく。その男を犯人として追う警察はやはり他人の夢に入り込む能力を持つ悪夢探偵に協力を依頼し、犯人に対決を挑む。
塚本晋也監督の作品はつねに激しい暴力と痛みに満ちており、それらは観る者の五感を強烈に刺激する。
その痛みゆえに「生」の実感を強く伴う。
すさまじい暴力、痛みゆえに逆に生きている事を強く感じ、そこに「生きたい」という動物的本能が生じる。塚本監督の作品は観る者に「どうだ、生きたいだろ」と強く問いかけているかのようだ。
がしかし、この「悪夢探偵」はそういった「生」への執着よりも「死」への願望のみが強く残ってしまう。
この作品はたとえ自殺願望がない人でも見終わったあとはなんとも精神的にまいってしまうのではないだろうか。
この原因は主人公である松田龍平とhitomi両者の役不足としか思えない。
自殺願望者の夢に入り込み、その者を虐殺していく犯人役は塚本監督自身が演じているが、この犯人に主人公2人がどうみても負けてしまっているのだ。これは言い換えれば主演2人が塚本ワールドの強烈な世界自体に飲まれてしまっているといって良い。
そうはいってもそこは映画なのでラストは主人公達が勝つのだが、見終わったあとには精神的疲労のみが残る・・。
この作品は来年に続編の公開が決定。キャストは松田龍平のみ残して設定を大幅に変えるらしい。
この事からもhitomiは塚本作品にはまだまだ早かったとしかいいようがない。。
そもそもなんでhitomiだったのか?そこだけが謎だ。
(生涯590本目の作品)
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