2007年12月15日土曜日

「未来世紀ブラジル」鑑賞。


1985年 イギリス映画
テリー・ギリアム監督。

名作「未来世紀ブラジル」を高校時代以来12年ぶりに観た。
高校時には画質の悪いレンタルビデオで観て「暗い話だな」と思った。
12年ぶりにDVDで観てその世界観のオリジナリティ溢れる鮮やかさと編集の凄さに驚愕。
DVDの鮮明な画質で観るにはまさにうってつけの作品であった。

テリー・ギリアムのイマジネーションとブラックユーモアが溢れる独特の世界がテンポよい編集で全編を疾走する。管理社会の恐ろしさを描いたSF作品で、この作品の主役はその独特すぎる映像世界を妥協なく生み出したギリアム監督自身である。

管理社会の恐ろしさを批判しつつも絶望的なラストは、結局そこから逃避行することは無理なのだといっているかのようでなんとも恐ろしい。そんな救いようのない話を全編素晴らしいスピード感とカラフルでコミカルな映像で彩っており、正に「他に見たことのない映画」となっている。傑作である。

テリー・ギリアムといえば「12モンキーズ」がかなり好きなのだが「未来世紀ブラジル」と「12モンキーズ」は多くの共通点(管理社会に踊らされる主人公、美女に金髪のカツラをつけさせるetc)があることに気づいて面白かった。

高度に情報が管理され、その反動でテロが勃発している社会という設定も現在観るとなおいっそうリアルである。
独特すぎる世界観を受け付けない人もいるであろう。
誰にでもオススメできる作品ではないが、間違いなくSF映画の名作として語りつがれる作品である。
(生涯609本目の作品)

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