2007年アメリカ映画
ショーン・ペン監督
家庭の問題や世間の物質主義など諸々の現実から解放されるために放浪の旅に出た青年の物語。
実話らしい。
アラスカを目指し様々な人と出会いながらいつしかアメリカの旅は終焉を迎える。
美しいアメリカの自然の映像に圧倒される中で、主人公が旅に出た動機や過去がフラッシュバック的にはさまれる。
最初は旅に出る動機がやや軽いんじゃないかと感じた。
劇中に出会うある人物が主人公に「お前は若くて頭でっかちなだけだ」と注意する場面があるけど、
ほんとそうだよななんて思ったよ。ちょっと青臭いんだよね。
しかし後半にいくにつれて自然の雄大な映像、川の激流、野生の動物や昆虫の姿を目にするにつれて、主人公の旅の動機などどうでもよくなっていく。言い換えれば人間の存在や現代の物質主義自体が、弱肉強食の大自然の前にどうでもよくなってくるのである。
エミール・ハーシュの知性と強い生命力の双方をもった演技も実によい。
終盤彼がやせ細っていく様は実にショッキング。
悲しい結末を見ると「結局彼の人生は幸せだったのか?」と考えれば大いに疑問が残るのであるが、
それでもダイナミックで生々しい自然の描写と、人間の暮らす平和な社会との対比に、気づけば目が離せなくなっている事は間違いない。
というわけで感想は観る人によっていろいろあるだろうけど
一見の価値はある力作である。
以上!!!
(生涯660本目の作品)
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