2009年4月25日土曜日

the ARROWS LIVE at UNIT


アロウズのツアーファイナル。

彼らのライブを観るのは実に1年ぶり。
安定した演奏で、あったかくて誠実なライブだったと思う。

1曲目はニューアルバム「アロイ」のオープニングである「ABCD」。
じっくりとギターとベースが音をつむぎだし、そこにドラムがここちよいリズムを刻む。
安定している。決して盛り上がりすぎずにゆっくりと熱くなっていくような感じで、この曲自体が「アロイ」の世界観を表しているかのよう。
そのままアルバムと同じ曲順で「夜明けのRhapsody」。キラキラのギターがいい。
その後も前半はひたすら新作からの曲が中心だったと思う。
「W.O.O.D.P.E.C.K.E.R」「からだのV」「すきなひと」「15years」あたりはさっさとやっていた気がする。とにかく丁寧で安定した演奏。むやみに盛り上げるというよりは、じっくりと聴かせるライブである。
旧作としては「オレンジバックビート」「イエスタデイズワンスモアーズ」「oh! ベイビー!!」が披露されていた。
岩原俊司のギターがいいのだ。彼自身かなりテンションが高くて気持ち良さそうにギターを弾いていた。
大好きな「BGMの向こう側」は前半がボサノバ風のアレンジになっいてとっても良かった。
この曲は泣ける。

ここまではかなりしっとりとしたライブで踊りたい観客には物足りなかったかもしれない。
しかしアロウズが進化していることを誠実に表現したライブであり、私は好感が持てた。
前作収録の「月光の街」で坂井竜二氏が感じていた様々な迷いはある程度払拭されて、自分達なりのスタイルをアルバムとライブの両方で確立することができたのではと思う。

MCも途中けっこうあって、毎回のことながらベースのキャンディー氏がいじられ役になっていた。
アロウズのMCはけっこうグダグダなんだけど、メンバー間の雰囲気のよさが垣間見れていいんだよなあ。
全員が同じ高校の同級生っていうのがデカイと思う。

そしてゆったりと新作の世界観を堪能したあと、終盤は盛り上がる曲の連続。
「恋する摩天楼」はアレンジが全く違っていた。とてつもなくアップテンポになっていてこれはこれでカッコよかった。
新曲「CRAZY GIRL CRAZY BOY」は初期アロウズが得意な、エロカッコイ歌詞が炸裂のダンスチューン。今作のゆったりとした世界を経て、またアロウズの攻撃的な面が戻ってきた感じを受けた。
本編ラストは定番の「ナイトコール」で終了。

そういや正式なドラムとなった鵜飼氏のプレイをこの日初めて聴いたのだが、アロウズにぴったりなドラムでよかったと思う。

アンコール1曲目は本日で辞めてしまうスタッフへ贈る歌として「サワディカップ」という新曲であった。
その後はこれまた定番「マストピープル」。
そしてラストは「ロックンロールダンシングガール」。
サビでドラムの鵜飼氏が大ミスをしていたのが目だってたな。

2度目のアンコールを求める客にメンバーがまたまた登場。
坂井氏が「さっきドラムがとんでもなく間違えたので、もう1回やらせてください。」といい、
「アンコールダンシングガール!!!」と叫び、またまた「ロックンロールダンシングガール」を披露。

こうして楽しい楽しいライブは終了。
派手に盛り上がる「ナイトコール」「マストピープル」といった旧作と、新作「アロイ」の曲の世界観に大きなギャップを感じたのは否めない。バリバリ踊りにきた客はこの日のライブを少しはタイクツに思ったかもしれない。
でも演奏は安定していて、バンドの調子はとても良さそうだった。
坂井竜二の歌も上手かった。
「アロイ」をリリースしたことによって自分達の世界をじっくりと作り上げることができているようにも感じた。ちょっと地味だけどね。
新曲「CRAZY GIRL CRAZY BOY」はアッパーな曲でかっこよかったし、
今後もアロウズには期待したい限りである。

以上こころあたたまるライブであった。

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