2009年10月15日木曜日
パーティーは終わりにしたんだ。
相変わらず徒歩通勤の日々である。
1時間ちょっとで着くのであるが
帰りはもっぱらミッシェルガンエレファント「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」を聴いている。
この作品には想い入れが強い。
強いなんてもんじゃない。
時は2001年。
楽しかった学生時代に別れをつげて、オレは社会人へ。
いまでも覚えている。
卒業式のあと赤坂のホテルで仲間と飲んでつぶれて、
次の日の昼に二日酔いでフラフラな体をひきづってホテルをでた。
ミッシェルのシングルが出るってことは覚えてたんで恵比寿のCD屋で購入してから帰った。
タイトルは「暴かれた世界」。
え、日本語ですか?めずらしいなあ。
なんだか不穏な雰囲気のタイトルだし。
でもって家で聴いてみた。
そして思った。
・・・この曲、暗くね?
勢いはあって、アップテンポなんだけど
なんか暗いんだ。
これまでのミッシェルにあったタイプの暗さではなく、
なんかどうしようもない悪が動き出しているような感じ。
サビの前でチバはこう詞を叩きつける
♪パーティーは終わりにしたんだ♪
前作「カサノバスネイク」の狂乱のハッピーモードに明らかな別れをつげる宣言ともとれるフレーズ。
そしてそれはオレにとって
「オマエ、もう楽しい学生時代は終わったんだよ」というメッセージにもとれた。
んでもって4月から社会人へ。
詳しくは書かんが、5月になって予想していなかったショックな出来事がおきた。
かなりへこんだ。
その上、日常の仕事だってなれないことばかり。
明らかに1年前とは見える景色が違っていた。
悲しく、冷たく、厳しい。
そんなときにでたアルバムが「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」である。
1曲目「シトロエンの孤独」、
アベのギターリフのなんと冷たいことか。
そしてチバのつぶやき。
なんともいえず冷徹な雰囲気。
それはオレの心境をよりいっそう冷たく寒いものにしたのだった。
そしてそんな辛さを振り切ろうと、
6月にオレはこの「ロデオ~」ツアーの赤坂ブリッツ公演に行った。
当日券をゲットしてみた人生初のミッシェルライブだったが、
そこにはこれまで自分がビデオやテレビで観たミッシェルの姿はなかった。
アベは最期まで冷静でスーツの上着を脱がなかった。
チバは眉毛がなくて、めっちゃこわかった。
1曲目の「サンダーバードヒルズ」、なんか怖かった。
ハッピーな雰囲気は皆無で、冷気が漂っていた。
認めたくはないのだが
「ああ、ミッシェル、なんか変わったんだなあ」
という事実を感じずにはいられないライブだった。
というわけでこのアルバムは当時の辛い思い出のBGMとなっている。
そして恐ろしいのはそんなアルバムのリリース後、4ヶ月足らずで9.11テロが起きたという事実。
時代の闇を予言するかのようなアルバムである。
あれから8年たった今では大好きなアルバムだ。
暗くつめたいとはいえ、エネルギーはあり、スピード感もある。
「ターキー」のようなリフで押し切る曲、
「アリゲーターナイト」のようなシャッフルの曲、
「赤毛のケリー」のような悲壮感と熱さが同居している曲、
なんだかんだでかっこいい「ベイビースターダスト」、
バラエティに富んでいるので通して聴いても飽きないんだよなあ。
やっぱ個人的に辛いときに聴いてた音楽って
心に残るもんですね。
以上!!!
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