最近読書は吉村昭にハマっております。
関東大震災。
これ日本人はマジで読んでおくべき。
今回の東日本大震災と比較して読んでも大変勉強になる。
関東大震災の死者のほとんどは火災が要因である。現代と違ってガスなどないために、人々が昼食のために起こした火が震災でそのまま燃え広がり多くの町を襲ったのだ。 特に陸軍本所被服廠跡で起こった強烈な火災と旋風は読んでいるだけでその恐ろしさがリアルに伝わってくる。
また人々の精神状態もまさに狂気の渦にのまれていたという事実が恐ろしい。現代と違って正しい情報が全く遮断されたので結果として「在日朝鮮人が暴動を起こしている」「在日朝鮮人が殺人を起こした」という全く根拠のない「流言」が暴走し、多くの朝鮮人への殺人事件がそれによってほんとに発生してしまったという恐怖。
震災による混乱と恐怖にかられて、社会主義者弾圧に火がついた兵隊が、女子供を含む3人の一般市民を何の罪もないのに殺害したという恐怖(大杉栄事件)。
情報とはいかに重要か、そして誤った情報をうのみにしてそれがたちどころに広がっていく恐怖。
この点は関東大震災ならではの2次的災害といえる。
地震列島に住む日本人であればぜひ読んでおくべき1冊だと思う。
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