2007年6月3日日曜日

「うつせみ」鑑賞。


2004年韓国映画
キム・ギドク監督作品

映画としては面白かったが、最初から最後まで主人公にはあまり共感できず。。
主人公を演じたジェヒは全編セリフは一切なし。目だけで演技しているが鋭く強い視線はなかなかのもの。
深い青みのある映像は作品をより幻想的なものにしていて見事である。90分弱作品の世界にどっぷりつかることが出来る。物語展開にも無駄がなくラストまであっという間にすぎる。
が、しかしだ、主人公が(窃盗こそしないものの)空き巣を繰り返して生活している事がわかる冒頭から、頭の固い私は「おい、それって犯罪じゃん」とツッコミを入れずにはいられなかった。
その後も見知らぬ夫婦の家に忍び込んで旦那に至近距離でゴルフボールを打ち込みそのまま妻と逃避行と、どうみても法律上は許されない行為の連続。こういう「愛」も映画ではありなのだろうが、主人公がゴルフボールで相手を攻撃するシーンがやたら残虐的であるが故にあまりピンとこず。。主人公の強い暴力性に対してヒロインがあまりに優しく柔らかすぎる気もした。

誰も思いつかないようなストーリーとキレのある展開、幻想的な映像は一見の価値あり。
が、主人公に感情移入できるかは難しいところだと思う。最もそんな事はこの監督は最初から観る者に望んでないのかもしれないが。。
(生涯577本目の作品)

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