2008年9月30日火曜日

「マイブルーベリーナイツ」鑑賞。


2007年 フランス 香港映画
ウォン・カーウァイ監督

つまんねー!
そんなに期待してなかったけど、やっぱりダメだった。
ウォン・カーウァイは私の映画人生に大きな影響を与えた監督だし、「恋する惑星」「欲望の翼」「ブエノスアイレス」「天使の涙」など大好きな作品は多いのだが、「花様年華」あたりからちょっと不安になってきて、前作「2046」では完全に「こりゃもうダメだわ」って感じになってきたんだよな。
この監督は自分に自信がありすぎて、あんまし進歩というか成長してなさすぎるんだと思う。

でもってアメリカを舞台にノラ・ジョーンズを主役に迎えて、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズにデヴィット・ストラザーン(「グッドナイト グッドラック」大好きです!)など豪華な役者をそろえて作ったこの作品だが、
やっぱダメだ。舞台が変わっただけで中身はまんま昔のカーウァイ作品だった。いや昔以下かも。

カーウァイ監督は躍動感ある映像とテンポが特徴だが、アメリカが舞台だとどうもその魅力もイマイチだ。
思わせぶりでくさいセリフも、西洋人がいうとなぜかただキザなだけなんだよな・・・。レスリー・チャンあたりがいうとゾクっとするほど様になってたんだけどな・・・。
アメリカで撮るならそれなりのアレンジというか、工夫が必要なんだとおもう。

あと思ったのはコマ落とし映像が多すぎ!!
これまでの彼の作品にもかならずあった得意技だけど、この映画はコマ落としの乱れ打ちだ!
要所要所で使われるなら、余韻を残したり、逆にアクションを盛り上げるという効果があるけど、こんなに連発されては逆に単調になるだけではないか。この辺はずばり普通の単調な作品にするのがこわいという監督の自信のなさとしか思えない。
そう、実際物語は単調この上ないのだ。

というわけでウォン・カーウァイ監督が自身の香港での映画のつくり方を、そのまんまアメリカでやって、見事に魅力が半減してしまった作品としかいいようがない。
過去の己の作風にあぐらをかいているとしか思えない。

唯一の新たな発見は「ノラ・ジョーンズは加藤ローサに似ている」という事実を知ったことだった。

以上!

(生涯645本目の作品)

0 件のコメント:

コメントを投稿