2007年12月13日木曜日

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」


先週あっという間に読み終えた「ゴールデンスランバー」。
伊坂幸太郎らしさがギュッと凝縮された手に汗握る傑作だ。

この物語はアメリカのケネディ大統領暗殺事件がモチーフとなっている。
仙台で全く罪のない一般人が国家側の策略によってある日突然首相暗殺の犯人に仕立てあげられてしまう。
全編にわたって戸惑いながらも命からがら逃げ続ける主人公の苦悩に対して、対照的に所々はさまれる決して戻る事のない淡い青春時代の回想シーンが実によい効果を出している。
特に中盤の主人公が逃避行を続ける場面の面白さとスリルは読んでいて時間を忘れるほどすごい。
終盤のラストに向かって物語が収束していく様子はかなりの「ご都合主義」で、人物描写も雑になり、残り少ないページであわててパズルを無理やり終わらした感があるのだがいざ読み終えてみれば「面白い!!」としか言いようのない力作だった。

誰が読んでも「ハマる」作品だと思う。
オススメである!

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