2007年6月16日土曜日

ZAZEN BOYS LIVE at 日比谷野音


ZAZEN BOYSの野音ライブに行って踊りまくってきた。
感想は、「松下敦のドラム最高!!!」この一言につきる。

ZAZEN BOYSの魅力はバンドサウンドの迫力とぶっといナタで叩き切られるような凄まじい殺傷力だろう。
ガッチリと固まったドラムとベースのリズム隊の上に、浮遊感のある変態的な歪んだエレキギターとこの世の無常観を念仏のようなラップ調で歌う向井秀徳の歌声がのっかるわけだが、凄いのはそれらが1つに強固にまとまってまさにオリジナルなダンスミュージックとして機能する事である。
今日の野音はソールドアウト。この奇怪なダンスミュージックがここまで多くの人に支持されている事実がさらに凄い。

私がZAZENを好きな理由は音楽性だけでなくボーカル向井氏の生き様にもある。
ZAZENはメジャーではなくインディーズである。
誰にもこびずに己の意思だけを頼りに突き進みながらバンドのマネージメントも自分で行っているその姿勢は正に現代に生きる侍を彷彿とさせる。

今日のライブはこれまで結成当時から凄まじいベースを弾いてきた日向氏が脱退し新ベーシストの吉田氏が加入してからの初めてのライブであった。吉田氏は終始ドラムの松下氏の横にぴたりとついてドラムの様子をしっかり観察しながら演奏していたが彼のベースは日向氏のサウンドと大きな遜色はなく忠実に仕事をこなしているように感じた。

そしてなんといっても一番凄かったのは"柔道二段"松下敦の叩き出すドラムである。
現在のZAZENはそのサウンドだけをとれば明らかに松下氏のドラムがメインとなっているといっても過言ではない。私、松下氏加入後のZAZENライブは今日が4回目であったが、向井、ギターの吉兼、吉田の3人が松下氏を取り囲むように接近してじっとリズムを確認しながら4人で1つの強大なグルーブを生み出すように演奏する場面が以前より明らかに増えてきているように感じた。それだけ松下氏のドラムが現在のZAZENサウンドの中核となっているのだろうと思う。

ここまで力強く、かつ安定したドラムはめったにない。いくら複雑なリズムになってもいくらオカズが増えようとも決してブれることのない安定したドラミングにすっかり心酔してしまった。
彼は05年にZAZENに加入したわけだが、今日のライブでも彼のドラムにより「WHISKY&UNUBORE」、「KIMOCHI」のような初期の曲も明らかに強度が増して生まれ変わっているのが分かった。

そしてまた今日のライブでは6曲ほど新曲が披露されこれからのZAZENサウンドが少しは分かったような気がした。この新曲もまた松下氏の安定したドラムの役割が大きく、ぶっといビートの上に向井の奏でるシンセサイザーを乗せたファンキーなディスコビート調の曲が多かった。80年代のディスコサウンドを意識したかのようなダンスミュージック。初期のソリッドでヘヴィーなギターサウンドメインのZAZENからは考えられない変容である。恐らく次のアルバムはギターサウンドが今までより極端に減り、鍵盤の音が増えて賛否両論を呼ぶのではないかと思う。

どんどん進化していくZAZEN BOYS、今後も応援したい。

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