2011年7月8日金曜日

「愛のむきだし」鑑賞。


2008年日本映画
園子温監督

今年2月に劇場で観て衝撃的だった「冷たい熱帯魚」の監督が園子温。
その園子温の名作としていまなお話題なのが「愛のむきだし」である。
237分の大作だ。
DVDを購入して、約4時間を木曜と金曜の2夜で鑑賞。

これはすごい映画だった。

前半はストーリー的にはかなり無理があって
支離滅裂なんだが、
それでも役者全員が魂をこめて演じているのでその勢いに押されてしまう。
この監督はなんでこんなに役者を活き活きとさせるのが上手いんだろうと感心する。

ラブコメディ的なノリの前半から、
新興宗教団体が絡みだす後半は一転してシリアスモードに。
ここから前半以上に登場人物全員の演技に熱が帯びる。
全員が全員素晴らしいのだが
なかでも一生忘れることができないくらいすごいのは
夜空をバックに新興宗教団体に洗脳された満島ひかりが「コリント第13章」を絶叫するシーンだ。
まるで全宇宙にひびかせるような気迫とすごみ。
彼女の黒目がちな顔が恐ろしくもあり、トラウマにでもなるような衝撃的シーンである。

そのほかコイケを演じた安藤サクラもすごい。
彼女の妖気と全身から漂う色気はすさまじく、
そこまで美人でもないのに、きづけば彼女から目が離せなくなってしまう。

いずれにせよ、この監督の作品は役者全員が200%の魅力を放っているのだ。
その勢いにおされて乱暴なプロットも気にならなくなってしまう。
つまりは気持ち、パッションが200%ほどばしっているのである。
いまの邦画に最もたりないパッションをもったこの「愛のむきだし」。
ぜひ1人でも多くの方にみてもらいたい、日本映画の名作である。

以上!!!
(生涯726本目の作品)

0 件のコメント: