2008年8月12日火曜日

ZAZEN BOYS LIVE at SHIBUYA AX


会社帰りに渋谷でザゼンボーイズを観た。
今年1月に観て以来だ。
彼らは4枚目のアルバムのレコーディングを終えて9月にリリースを控えている。
今夜のライブも特に中盤は新作の世界が中心に展開された。
その世界を一言でいうと「トリップ」かな。

おなじみテレヴィジョン「マーキームーン」のSEでメンバー登場。
カシオはいつものピンクシャツ、吉田一郎はいつものムラサキシャツ。
この2人は最近のライブでこの衣装しかみたことがない。
向井は黒いガラシャツに帽子をかぶり、黒いサングラスをつけて登場。そしてサングラスの下はメガネといういつものオチで観客を煽っていた。
あやしいんだけどどこか憎めない。
最も注目のドラマー松下氏は黒い長袖シャツに白いズボン。もちろん長髪。風貌のみならず、その演奏も終始神がかっていた。

まずは「バラードを1曲」という向井のMCで「SUGER MAN」。バラードか?これ??
微動だにしない観客。オレはいつも思う、「なんでみんなこの曲で踊らないんだ!」と。
そりゃヘンテコな曲であることは知ってる。踊りにくい曲に決まっている。
でも、この曲をライブでやり始めてからもう2年以上経っているわけだ。
それにこの曲の松下氏のドラムはすごいじゃないか!
なのに観客はこの曲をやるといつもドン引きなんだよな。
いいかげんこの曲のすごさを少しは感じてほしい。なんてオレがいっても、ライブは観客一人ひとりの自由なんで、戯言にすぎないのだよな・・・。おっと「SUGER MAN」に行を取りすぎた。
2曲目で「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」。無難に盛り上がる。そのあとはたしか「MABOROSHI IN MY BLOOD」→「IKASAMA LOVE」という超ド定番の流れ。この2曲を連続してやらなかったワンマンライブをこれまで観たことがない。
そしてこの後から新作のダンスミュージックに徹した世界が濃厚に展開された。
まずは「Honnoji」。カシオメンの連発する80年代ニューウェイブ的でかつどこか和風な怪しいリフと、松下氏の繊細なタッチのドラミングがおわることない炎のゆらめきのようなダンスミュージックを生み出していた。そこにのっかる「本能寺で待ってる!」というフレーズ。かっちょええじゃないか!
このあとは「Weekend」だったっけ?これはぶっといファンクナンバー。
そのあとはひさびさに「DON'T STOP THE BEAT」。あと順番は忘れたけど「METAL FICTION」もやったと思う。いずれにせよ、中盤はギター2本の激しいロックナンバーは皆無で、延々と同じリズムを繰り返すことでクラブミュージック的なトリップ感を生み出す、独特のダンスミュージックの連発だった。いわゆるギターロックのザゼンが好きな客はかなりとまどっていたように思えた。踊っている人は踊ってたけどね。恐らく来月の新作のリリースにより旧作からのファンがかなり離れることは否定できないのではと思う。それがいいとか悪いとかじゃなくてね。
「DARUMA」、「Asobi」のあとは「I Don't Wanna Be With You」。シングルだけあって最初は盛り上がった。けど、1月のライブでも感じたけどさ、この曲ライブだと長すぎて飽きるんだよ。特にこれといって劇的な展開もないのにひたすら長い。終わったと思いきやまだまだ続く。正直大した曲じゃないなと思ってしまう。今度からはもっと短くしてほしい。
ようやく「I Don't Wanna Be With You」が終わったと思ったらそのまま「CITY DREAMING」。
これでダンスミュージックタイムは終了。うーん、こういう向井が鍵盤を弾く曲って踊れることは踊れるんだけど、これまでのザゼンの音楽性とあまりに乖離しすぎているのがどうも気になってしまう。ギターロックのザゼンが持っていた「ささくれだった狂気」みたいなものは全く感じない。これでは別のバンドのライブのようなのだ。この辺のギャップをどうしていくのか?恐らくなんもしないで割り切っていくとは思うけど、動員数がドンと減りそうで怖い。今後の課題じゃないかな。

そして、向井がまたテレキャスターを抱えた。
「バラードを1曲」というMCで今度は「KIMOCHI」。バラードとはいえ、松下氏のドラムの連打が凄すぎる。この曲は全部彼がもっていってしまっているといっても過言ではない。
そのまま「FRIDAY NIGHT」。ダンスミュージックコーナーで踊れなかった観客もこの曲では盛り上がっていた。そしてこのあとは「打ち鳴らされるリフとリフ」というMCで「RIFF MAN」に。この曲がすごいってのはもう分かってる。期待通りの演奏だった。
アンコールは「感覚的にNG」と「COLD SUMMER」。「COLD SUMMER」はドラムがアヒトから松下氏になってから聴いたのは初めてだったので嬉しかった。とはいえ、松下氏が叩くとまた違う曲のようで、アヒトのもっていた鋭くて疾走するビートではなく、ボトムの効いたハードロック的な曲になっていたのが面白かった。

こうしてライブは終了。

今後も恐らくザゼンボーイズのライブが、いや、彼らの生み出す音楽が2極化していくことは間違いない。
ギターがメインの曲と、ダンスミュージック的な曲の2つである。
ダンスミュージック的な曲がややタイクツである点、この2つの音楽性がライブの中で全く分離してしまっている点、この2点がいまのライブの課題ではなかろうか。余計なお世話だとは思うけど、今後のライブの動員が楽しみでもあり不安でもある。
現に私の後ろにいた客は「最後の曲(恐らくRIFF MANだと思う)が観れないならもうライブ行かなくてもいいかな」なんて言ってたし。

なにはともあれ今後の活躍に期待である。
新作「ZAZEN BOYS4」は9月17日に発売だ!以上!

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