2007年6月14日木曜日

「亀は意外と速く泳ぐ」鑑賞。


三木聡監督
2005年 日本映画
大変面白かった。面白かったというよりは「オレは好きだなあ~この作品」という感じ。
実はこの作品1年前から観たかったのだが、いっつもレンタル中で1年かけてようやく観ることができた。


ひょんなことから主婦からスパイの世界へ入り込むことになった主人公スズメは本国(詳細不明)からの指令を待ちながらも仲間のスパイとともに毎日をより目立たないように生きる訓練に励むというなんとも言葉では説明しにくいストーリー。

オフビートな笑いの連発で大声で笑うことはなくてもニヤリとしてしまう場面が多い。おしつけがましくないので観ていて疲れない。でも眠くもならないのは物語がギリギリのとこで破綻せずに、登場人物がきちんとそれぞれの「使命」を帯びているからだろう。

冒頭のパラパラ漫画によるタイトルのセンスから気に入った。
この作品は計算されていないようで実はディティールなどかなり計算されて緻密に作れられているのではないかと思う。おそらく神奈川方面だと思われるロケ地も終始さびれた商店街に限定されているが、見事にこの作品の世界にマッチしている。登場人物の服装もカラフルなジャージや主人公スズメの着ている緑のカーディガンなどそれぞれのキャラをよくあらわしており、かといって派手すぎもせず非常に好感がもてる。

上野樹里は「色気のなさ」が逆に効果的で見事なハマり役となっており彼女以外は主役に考えられない。
その他の役者もみなうるさすぎないのだがしっかりとキャラがたっており良い。

個人的には松重豊が演じた「そこそこ」のラーメン屋の店主に切なく静かな男のドラマを感じてキュンとなってしまった。

そしてラストに流れるレミオロメン「南風」を聴きながら
「やっぱこの曲いいねえ~」と改めて思ったのであった。

誰がなんといおうと私は大好きな作品である。また観たい。
(生涯582本目の作品)

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