2010年7月14日水曜日

オレとミッシェルガンエレファント。 1997年


1997年。大学生になった。
体育会剣道部に入ったオレは
毎日剣道をしながらやはりミッシェルを聴いて生活していた。
でも周囲に彼らのことを知る人はほとんどいなかった。
「こんなにかっこいいのになあ。でもまあ知られてなくてもいいや。」
そんな気持ちを抱きつつ大学1年目を送っていた。

97年はコンスタンスにミッシェルのシングルCDがリリースされた。
5月に「カルチャー」、
8月に「ゲット・アップ・ルーシー」、
この2枚を聴いたときにビビったのは音の汚さである。
明らかにセカンドアルバム、ファーストアルバムとは音の肌触りが違っている。
どんどんムダがなくなっていくような感じ。
これはレコーディングスタジオがイギリスのスタジオで、意図的に昔の手法で録音していることによるのであった。
とくに「ゲット・アップ・ルーシー」はドラムの音がペナペナで、
そこに無骨なギターが淡々とリフをきざんでいて、なんとも昔の洋楽のような音質にえらく驚いた。
で、この曲がまたヤバイくらいメロディが良いので、当時狂ったように聴いていた。

また、たまーにテレビとかで当時の彼らのライブ映像を観ることもあったが
メンバーの顔つきというか、勢いが明らかに96年よりもパワーアップしているような印象で、
言葉が悪いが「すんげー生意気そう」なにおいがプンプンに漂っていた。

そんなこんなで春、夏と「ミッシェル勢いにのってるなあ」と感じていたが、
秋にはもっととんでもないことになっていた。

まず10月に先行シングルとして「バードメン」がリリース。
これを聴いたときには、とにかくその音のぶっとさと勢いに驚いたもんだった。
イントロのギターがヤバイ。なんちゅう音だ。
聴けば聴くほど気持ちいい。
メロディも実にいい。
「じめる うなだれ つまさきで ひとめみたなら あとはとぶだけ」
意味がわからなそうで、でもなんとなくわかるチバの歌詞も最高にかっこいい。
ってか「じめる」ってなんだよ・・・。
これはヤバイことになってんなあ。

そしてそして11月には3枚目のアルバム「チキンゾンビーズ」がリリースされた。
これを最初に聴いたときに思ったのは
「・・・なんか、演奏が乱暴になってねえ?」という感想。
ファースト、セカンドアルバムでのカチっと、キッチリとした演奏ではなく、
すべてをぶっ飛ばすような嵐のような勢いがこのアルバムにはあった。
「ゲットアップルーシー」「カルチャー」といった春夏にシングルリリースされていた曲も
新たに録音しなおして収録されているのだが、
シングルバージョンの1.5倍くらいのテンポになっていて演奏も歌もシングルよりも凶暴化してたのが印象的だった。

当時なんかのインタビューで「チキンゾンビーズってタイトルの意味は?」って質問にチバユウスケは
「チキンの死霊が町を食い尽くすイメージ」と答えていた。
なるほどなあって思ったねえ。
実にこのアルバムの狂っていてかつコミカルでさえある、常軌を逸した勢いを的確に表現してるなあと。

おそらくこのアルバムが生涯を通してオレがもっともよく聴いているアルバムだと思う。
そしてライブを精力的に行うスタイルのミッシェルは、98年1月から「ワールドチキンゾンビーズツアー」に入る。
そのツアー数は4ヶ月で52本という膨大な本数だった・・・。
(続く・・・)

0 件のコメント: