2008年2月6日水曜日

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」


土曜日から昨日まで風邪を引いていたのだが、
ただひたすらくたばっていたわけではない。
ちゃんと読書もしたのだ。
伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」。
4つの短編集である。
書かれた時期がどれも違うために、随分と作品ごとの面白さにムラがあるのが難点か。

1.動物園のエンジン
正直つまらんなあと思ったら初期の作品だった。なるほどね。

2.サクリファイス
これもいまいちだね。主人公の「黒澤」って男は「ラッシュライフ」にも出てたな~。

3.フィッシュストーリー
お、面白くなってきた。やはり、バンドとかが出てくると音楽好きなオレとしては燃えるのだ。「ジャック・クリスピン」ってミュージシャンは「グラスホッパー」にも出てくるね。ちなみに実在はしないようだ。

4.ポテチ
なんだこの面白さは!!!しかも泣ける!!!またまた黒澤が登場だ。
ポテチを泣きながら食べるシーンが素晴らしい。

というわけで「ポテチ」の素晴らしさが突出している。設定は相変わらずリアリティ皆無なのだが、伊坂らしいトリッキーな物語展開にほろ苦い人間ドラマが見事に溶け合い、独特な感動作となっている。
この「ポテチ」は、なんとオレが愛するモーサムトーンベンダーの名曲にインスパイアされて書かれた作品とのこと。まあオレがこの本を買った理由もそこにあったのだが。

「ラッシュライフ」や「グラスホッパー」にも登場する人物がこの作品にも登場しファンをニヤリとさせる作りとなっている。
伊坂作品を何冊か読んだ後に読むにはオススメできるが、作品の面白さにムラがあるので初めて読むに人はどうかと思う。
でも「ポテチ」はいい!!

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