2008年12月23日火曜日

「ぼくの大切なともだち」鑑賞


2006年フランス映画
パトリス・ルコント監督

私はパトリス・ルコントが大好きだ。
彼の作品は一貫して、人間と人間の会話、コミュニケーションが中心にある。
大体2人の「コンビ」についての物語が多く、そこにはまさしく「対話」があり、
まぎれもない「人間」の普遍的な姿がある。
観ていてとても心があたたまる。
しかも映像もキレイ。
期待を裏切らない監督なのだ。

そして彼の最新作にして引退作(?)である「ぼくの大切なともだち」。
これが期待以上に素晴らしい作品で感動した。

最近のルコント作品ではおなじみのダニエル・オートゥイユ。
これが仕事と自分の欲だけのために生きる男。
ある夜「ともだち」が1人もいない事を周囲から指摘されて、てっきりそんなことはないと思い込んでいた彼はショックを受ける。しかしそれは事実であった。うぬぼれ屋で仕事上の利益しか目にない彼には真の友人と呼べるともだちは誰もいなかったのだ。仕事上のパートナーから「ともだちがいることを証明できるか」という賭けを持ちかけられ、彼は賭けにかつために、偶然知りあったタクシー運転手に「どうすればともだちができるか?」と相談し、ともだちを作るために奮闘するのだが・・・。

とにかくダニエル・オートゥユと、その相手となるダニー・ブーンの対照的な演技が素晴らしい。
ダニー・ブーンはちょっとクラッシュのジョー・ストラマーに似ているな。

物語は「友情とは」という普遍的なテーマを軸に進むので、観ていてどんどんハマりこんでしまう。
そして感動のクライマックスは予想以上の盛り上がりで手に汗にぎってしまった。
クライマックスではフランスのテレビクイズ番組が舞台となるのであるが、
これがなんと日本のクイズ番組「ミリオネア」の思いっきりパクリであることも驚いたな・・・。

というわけで「友情」とは何かというテーマをとてもテンポよく、
それでいて適度に深く描いた傑作である。
ルコント作品にハズレなしだ。
オススメです!!!
(生涯648本目の作品)

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