2010年6月6日日曜日

「南極料理人」観賞。


沖田修一監督
2009年日本映画

これはオススメですね。
いい映画だ。
役者がみんないい。
映像もいい。
でてくる料理もいい。
伊勢えびのエビフライ、面白かった。

以下ネタバレありです。

南極のふじ基地で生活をともにする男8人。
そこでの調理担当が堺雅人演じる西村クン。
とても美味しそうな料理を毎日3食作っているのであるが
それを食べる隊員たちは、みな一度も「うまい」とか「美味しい」って言わない。
映画を観ていくとその理由もわかってくる。
日本に家族を残して南極で過ごすということがいかに精神的につらいかがじわじわと描かれていくのだ。
毎日水を貯めるための重労働。
日本に残した恋人にフラレてしまう若い隊員。
とはいってもコミカルな要素が根底にあるのでそこは安心して適度に笑いながら観ることができる。
中盤、ラーメンがなくなったあとのきたろうの失望はマジで笑えた。
「西村クン、ボクの体はね、ラーメンでできてるんだよ・・・。」
涙目でラーメンを欲する演技に爆笑。

色々ありつつもいつしか1年以上の任務は終わり、
隊員たちは日本に帰り、それぞれの家族と再会。このシーンは泣けるね。

そして西村クンもまた家族との生活にもどる。
ラストシーンで西村クンは子供と奥さんと遊園地で
タレがベタベタのテリヤキバーガーを食べる。
ちなみに奥さん役は西田尚美なんだが、てっきりクレジットを観るまで深津絵里だと思ったよ。
キレイになっててビビッた。
どうみても美味しそうに見えないテリヤキバーガーである。
おそらく大量生産された冷凍ものを解凍調理したものだろう。

それを一口食べた西村クンは思わずふとつぶやく
「あ、うまい」

このあと唐突に映画は終了する。

南極で家族と離れて食べるどんな料理よりも
日本で家族と食べるジャンクフードのほうがまだ美味しい
ということか。
見事なラストである。
日常をなにげなくすごしていると、大切なもののありがたさを忘れてしまいがちだ。
そんなことをこの作品はさりげなく教えてくれる。

というわけで色々な意味で見所の多い傑作である。
以上!!!
(生涯705本目の作品)

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