2007年8月31日金曜日

SUN SET LIVE 2007 


朝起きて窓をあけると雨がガンガン降っていた。
失意のなか準備をしていると雨は弱まり、10時頃には完全にやんだ。
「フェスの神がいる!」オレはそう確信した。
11時14分筑前前原駅発のバスで会場へ。
ついに念願のSUN SET LIVEである!

まず先に全体的な所感を述べると、SUN SETは「楽園」そのものだったということだ。
このSUN SETはいわゆる「ロックフェス」というものとはかなり違う。今年で15週年ということで日本で最初の本格的なロックフェスであるフジロックフェスよりも5年も前から開催されているわけで事の発端がそもそも「フェス」とは別の独自なものなのだ。会場は予想以上に狭く、2つあるステージの間を歩いてもおそらく2分程度しかかからないだろう。
出演者のメンツもいわゆるメジャー系なアーティストはほとんどいない。ジャズやレゲエなど音楽好きのためのメンツといった感じである。目の前には海、そして後ろには山。聴こえるのはリズムのよい音楽。ときおり吹いてくる海風がここちよく踊りつかれた体を冷やしてくれた。
なんといっても天候が素晴らしかった。快晴でなかった分、暑さが厳しくない。実に適度な天候だったのだ。
以下は観たアーティストの詳細レポである。

①SPECIAL OTHERS
【SET LIST】
STAR
NGORO NGORO
SURDO
AIMS
新曲
IDOL
GOOD MORNING

トップはスペアザ。「STAR」のイントロを聴いた瞬間にここに来て良かった!と心から感じた。
特にいつもと変わらなかったがこのようなフェスでも決して気負うことのない、風格すら感じる堂々とした演奏であった。新曲は柳下氏のギターが自由自在に駆け抜ける実にメロディアスでシャープな曲で今後の彼らを十分に期待させるものであった。「GOOD MORNING」では曇り空から青空が現れ朝日のごとく日がさした!!まさに奇跡であった。

②マボロシ
【SET LIST】
泥棒
超ジェラス
マボロシのほし
ペニー・レイン
新曲
HARDCORE HIP HOP STAR
SLOW DAWN

スペアザのあとそのまま犬式を観て、ただならぬベース音と三宅氏の神がかった雰囲気に圧倒されたのだが、どうも気分がノらない。今日は犬式のこの重厚な雰囲気よりもマボロシのほうがいいんじゃないかと思いビーチステージへ移動。マボロシは期待通りのエンターテイメント性全開のライブでとっても楽しかった。観客もみな笑顔で「マボロシのほし」ではタオルを振り回していた。もちろんオレも全力で振り回したよ。が、一番楽しんでいたのはマミーD本人だろう。何度も顔がにやけていてホントに楽しそうだった。D氏の笑顔は実にチャーミングなんだよね。新曲ではセクシーことギターの竹内氏もラップを披露。決してい上手いとはいいがたかったが、秋にリリースされる新作に収録されるとのことで待ち遠しい限りである。

③ZAZEN BOYS
【SET LIST】
RIFF MAN
HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
CITY DREAMING
I DON'T WANA BE WITH YOU
COLD BEAT
FRIDAY NIGHT
KIMOCHI

向井が笑っていた。向井がほんとに楽しそうだった。やはりSUN SETはアーティスト側も楽しくて仕方ないんだろう。いきなり「RIFF MAN」を演奏されて客は一気にモッシュの嵐になった。その後も観客は踊り狂うほかなくまさに「祭り」のカオス状態だった。ラストはしっとりと「KIMOCHI」。夕方近い海辺で聴くとまた格別であった。新ベーシストの吉田一郎が謙虚そうに何度も客におじぎしていたのが印象的だった。ZAZEN BOYSはどんどん余裕と風格が生まれてきている。それを確信した。

このあとは海の家で寝たりして休憩。トリへ向けて体力を温存した。
トリはそう、われらがSOIL&"PIMP" SESSIONSである!!

④SOIL&"PIMP"SESSIONS
【SET LIST】
THE SLAIGHTER SUITE
PLUTO
マクロケ
マシロケ
SAHARA
MO'BETTER BLUES
SUMMER GODDESS
WE WANT MORE!!!!!!
THE PARTY
SATSURIKU ニューウェイブ
閃く刃
【ENCORE】 
MATUER(SPECIAL OTHERS、犬式、cro-magnon、jazztronik参加)

まさに「王者の風格」だった。最前列付近で踊りまくった。
元晴のサックスはやはりすごいの一言につきる。ふと後ろを見ると遠くの山の斜面にいる女性客が立ち上がってノリノリで踊っている様子が見えてなんか嬉しかった。「MO'BETTER BLUES」でしっとりした後からが特に凄く、「SUMMER GODDESS」「WE WANT MORE!!!!!!」「THE PARTY」の3連続にはよくここまでできるなと驚愕した。3rdアルバム「PIMPOINT」の曲が中心となっていたが、このアルバムがいかにフェス向けの楽しい作品であるかがよくわかった。
アンコールの「MATURE」ではなんとこの日のパルムステージの田中知之以外の全出演者が登場!!!中盤から収拾がつかない状態となったのは否めないが、それでもみなとっても楽しそうでこれこそSUN SETならではの演出だと思った。よく考えればSOIL、スペアザ、犬式、cro-magnon、jazztronikこの5バンドは普段からも交流があり音楽性もリンクする部分がある。集まるべくして集まったといった感じで現在の日本の音楽シーンのいいとこだけが集まった正に夢の競演であり圧巻であった。cro-magnonの大竹氏はあまりの楽しさに観客席へダイブしていた。本当に楽しそうだった。

というわけで観客もスタッフも出演者もみんな楽しくて仕方なかったSUN SET LIVEは「ロックフェス」というよりも「楽園」そのものであった。あんなに楽しそうな向井修徳、マミーDは初めてだった。
今後もこの規模で音楽好きにとっての「理想郷」として継続していただきたいものである。

こうしてオレの07年の夏は終わったのだった。
以上 終演後の花火の画像をもってレポ終了とする。

2007年8月30日木曜日

福岡上陸。


16時羽田発の飛行機で福岡へ。
18時前には福岡到着。

そのまま地下鉄にのり赤坂駅で下車。
福岡在中の親友F氏オススメの定食屋「わっぱ定食堂」で夕食をとった。
ここは豚汁が有名で全体的にボリュームが多いとのことであるが、そこまでおなかがすいていなかったので「さば煮付け定食」を食べた。豚汁(小)もつけてもらった。美味しかった。

夕食後駅に戻り30分ほど電車にゆられて筑前前原駅へ。
駅の近くのホテルにチェックインし、やることないので普段めったにみないテレビを観る。
「上島竜平は面白いなあ」なんて思いながら明日のSUN SET LIVEにそなえて早く眠りに着いた。

SUN SET LIVEついに明日!!!

2007年8月29日水曜日

つじあやの LIVE at LIQUIDROOM


つじあやののワンマンライブに行ってきた。
大変素晴らしい内容で夏のおわりにぴったりだった。

白に緑の模様のついたワンピースで凛としたたずまいで登場。
メガネがいいんだな~。「メガネ男子」なんてどうでもいいが、もし仮に「メガネ女子」が流行ったとしても、品があるのはつじあやのだけだと思う。ま、そんなことはどうでもいいか。

演奏スタイルは、
最初は1人でウクレレでの弾き語り→鍵盤とウッドベースを加えたトリオ編成→ドラムを加えた4人でのバンド演奏という流れであった。

まずなんといってもつじあやのは歌がうまい!!それを痛感した。
シンプルで素朴なように聴こえるけど彼女の歌声は実はかなり表情豊かだ。
低音と高温のメリハリというか、ためるとこはためて高温では勢いよく伸びるように歌うその歌唱法は何気にかなり高度だしリズム感があると思う。
あの歌声が響き渡るとなんともいえない上品で、やさしくて、それでいて緊張感のある雰囲気に包まれる。「つじあやの色」にでも染まるというか。

曲目はおなじみの「そばにいるから」の弾き語りでスタート。
トリオ編成になってからは途中で観客と一緒になってつじあやの本人がCMに出演して演奏していたエビスビールのテーマソング「第三の男」を「ラララララン」で歌った。この観客との間に生まれた一体感を殺さずにそのまま山下達郎のカバー「パレード」へ。この流れが実に気持ちよかった。
バンド編成になってからは代表曲「風になる」などをしっかり演奏。個人的に嬉しかったのは「季節はずれですけど」という紹介で演奏された「桜の木の下で」。京都の「哲学の道」の桜並木を勝手に想像しながら聴いていた。

アンコールではユニコーンのカバー「ミルク」を弾き語りで演奏。10月にリリースされるユニコーンのトリビュート盤に収録されるとのこと。
今日のライブで初披露という新曲「サンデードライバー」もアップテンポのノリの良い曲で観客からは自然と手拍子が沸きおこった。この曲昨年にできていたにも関わらずレコーディングがどうしても難航し「お倉入り」の可能性が高いとのことだが、理屈抜きでいい曲だっただけに是非音源化を望みたい。
そしてラストは新曲「SWEET SWEET BIRTHDAY(みたいなタイトルだったと思う・・。)」
これがまた名曲でつじあやの曰く「思うようにいかない事があっても、常に自分を大切にしよう」というメッセージがこめられており、サビの「自分を見失っても 私がこの世に生まれた奇跡(軌跡?)はまだ続いている」というフレーズが深く胸に響き渡ったのであった。

とうわけで、つじあやののステキな歌声に酔いしれたステキな一夜であった。
やっぱ京都出身のアーティストは気品があってよろしい。
また行きたい。


SUN SET LIVEまであと2日!!!

2007年8月28日火曜日

SCOOBIE DO 「トラウマティックガール」


4月にリリースされたスクービードゥーの最新ミニアルバム「トラウマティックガール」。

実は買ってなかった。

先週のUNITライブがあまりに素晴らしすぎたのであわてて週末に購入した。

このアルバム実にいい。スクービーのいいとこだけがギュっと濃縮されたディープな作品だ。

そしてどことなく明るくて楽しげな雰囲気なのが彼らのサウンドの特徴だ。決してダークにはならない。

つまり踊れる、カッコイイ、楽しい と3拍子そろっているわけだ。


スクービードゥーはフルアルバムよりミニアルバムのほうが良い気がする。

まあCDよりもライブが一番なのは間違いないのだが。

次回のスクービードゥーのライブは9月17日。なんとFIRE BALLとの2マンイベントである。

いまから楽しみだ。

その前に、、

SUN SET LIVEまであと3日!!!

2007年8月27日月曜日

CRAZY KEN BAND 「SOUL 電波」


夏も終わりが近づいてきた今日この頃。

しかし、オレのライブ漬け生活は8月より9月のほうがすさまじいことになっているのだ。

16、17、21、22、23、30の6日間がライブだ。

これこそまさに、

「てんやわんやですよ」。

というわけでクレイジーケンバンド(以下CKB)の新作「SOUL電波」だ。

ていっても、まだあんまし聴いてないけどね。

9月16日はなんとCKBとZAZEN BOYSが野音で激突なんだよ!

題して「DOUBLE PUNCH」!

実にいいネーミングだと思う。イイネ、イイネ、イイイイーネ!!

CKBのライブは初めてなんだよな。

いまから楽しみである。


SUN SET LIVEまであと4日!!

2007年8月26日日曜日

凛として時雨「Inspiration is DEAD」


午後から渋谷へ買い物へ行った。

タワレコで試聴して衝撃的だったのが、

凛として時雨「Inspiration is DEAD」である。

体に突き刺さるサウンドとリズムとハイトーンボイスの歌声がすさまじい。

即購入を決意。

聴いた瞬間に誰もが、ナイフでズタズタに引き裂かれるような激痛と、

ハンマーで腹部をたたかれるような鈍痛の

両方を味わうことになるだろう。

痛みを感じずにはいられない超鋭角サウンドである。

しかもCDの中に11月のツアーの特別先行予約案内あり!

すぐに℡して11月11日渋谷AX公演のチケットをゲットした事はいうまでもない。


タワレコの店員による手書きのおすすめコメントが面白かった。

「オススメのトラックは①②③④⑤⑥⑦⑧⑨!」だって。

おい、それ全曲じゃん!!

たしかに全曲オススメだけどな。

というわけで「Inspiration is DEAD」、しつこいようだがオススメである。

SUN SET LIVEまであと5日!!

2007年8月25日土曜日

「葡萄屋」で焼き鳥食べる。


大森にある「葡萄屋」で焼き鳥を食べた。

初めていく店だったけど、とにかくおいしかった。

鳥が全く臭くない。

皮やレバーでさえ臭みがなく、上品な味なのだ。これには驚いた。

ここまで美味しい鳥皮は初めてだった。

お店の人のサービスも落ち着いていて気が利いていて良かった。

こんな店が大森にもあるとは驚きだ。

値段はそれなりに高いが、雰囲気は全く気取っていないので誰でも入りやすいだろう。

会社帰りにちょっと贅沢して行くにはいい店だと思う。

またぜひ行きたい。

SUN SET LIVE まであと6日!!

2007年8月23日木曜日

「ミッド・ナイト・ラン」鑑賞。


1988年アメリカ映画
マーティン・ブレスト監督作品

ロバート・デニーロの出演作の中で最も「面白い」痛快ロードムービーである。
高校時以来の鑑賞だったが文句のつけようのない面白さであった。

テンポよし、演技よし、物語よし、男の友情よし、と欠点のないバランスのとれた作品だ。

作風はわりと軽いコメディタッチだが、デニーロ扮する元警官のジャックは、過去にマフィアからの買収を断ったために警察から追放されて、家族までも失ってしまうというバックグラウンドを持つ男でありこの点は何気に深かったりする。正義を貫く者がなぜか社会から排除され、悪が生き残るという点である。

絶妙なのはデニーロの相手役でマフィアの金を横領した会計士デュークを演じるチャールズ・グローディンの演技である。落ち着いたトーンと品のある演技で頭のいい会計士を実に見事に演じており、アウトローでワイルドなデニーロの相手役として抜群の相性であった。

この男2人が追手から逃げるために旅をするロードムービーなわけだが、物語展開と2人の演技が実に面白く観ていて飽きることはない。今よりもまだ痩せていて動きにキレのあるデニーロもクールだ。
脇役もみなバカばっかりで憎めない。FBIとマフィアがジャックとデュークを追跡するのだが、どちらも無能で間抜けな人ばかりで組織として全く機能していない。

こういう映画は派手な映像とアクションばかりが横行する現代では作れないと思う。
ミッド・ナイト・ランは決して派手ではないが中身は丁寧に作られた傑作だ。

「悲しい映画」、「怖い映画」、「切ない映画」、映画にはいろいろあるが
ミッド・ナイト・ランが正真正銘の「面白い映画」であることは間違いないだろう。
(生涯598本目の作品)

SUN SET LIVEまであと8日!!

2007年8月22日水曜日

SCOOBIE DO,the ARROWS LIVE at UNIT


スクービードゥーとアロウズのライブを代官山UNITで観てきた。
「GOLDEN SESSION」と名づけられたイベントであったが、スクービーもアロウズも両方とも大好きな私にとってはまさしく夢の組み合わせであった。
感想は「スクービードゥーの圧勝!!」としかいいようがない。

まずはアロウズ。
「JIVE JIVE」「マストピープル」とアッパーな曲を立て続けに演奏。その後もこの間のツアーファイナルでもやっていた新曲「男達はFEEL SO NICE」でがっつりとしたリズムを繰り広げ「イエスタデイワンスモアーズ」で泣きのギターをじっくりと聴かせ、メンバー紹介を織り交ぜたインスト曲「ドラゴンビート」からそのままキラーチューン「ナイトコール」へなだれこんだのだった。この代表曲でそれなりに盛り上げてから、ラストはシリアスでヘヴィーな「月光の街」。これがまた実にいいんだな~。
この「月光の街」、今日で聴くのは3回目であったが、聴けば聴くほどに「いい曲だなあ」と思う。以前より演奏がまとまってきているからか、クライマックスの光放たれるような音の放射が実に美しい。そしてなんといっても坂井竜二の歌声とメロディと歌詞が泣けてくるのだ。「自分を貫き通せるのか?」「幸せってなんなのか?」「人を幸せにできるだろうか?」などなど、現実での「迷い」を激しい演奏にのせて自問自答し続けるクライマックスは圧巻だ。
そしてその自問自答の果てに出てくる「君にね、君にあいたいんだ。」というシンプルで弱さ丸出しのフレーズは聴く人の心に実に切なく響き渡るのだ。名曲である。

しかし今日のライブでは坂井竜二の調子自体はあまり良くないようで、常に息があがっていて苦しそうだったのが印象的であった。また、MCにも全く冴えがなかった。色々な意味で「迷って」いるのかななんて感じた次第だ。

そしてスクービードゥーであるが、そんなアロウズの「迷い」を軽く吹き飛ばすような「迷いのなさ」であった。
今日でスクービーのライブは6回目であったがこれまでで最高のライブだったと断言できる。
アロウズの後なのでいやがおうにも比べてしまったのだが、演奏のまとまりから生まれるグルーヴ、風格、体力、そしてMCのすばらしさなど、どれをとっても圧倒的なレベルの差を感じた。いうまでもなくスクービーのほうが数段上であった。

以前も書いたことだがアロウズの弱点は曲と曲とのつなぎが弱いという点であり、どうしても1曲ごとにグルーヴが途絶えてしまうという点である。これはリズムの要となるドラムがサポートメンバーであることが原因かもしれない。この点スクービーはドラムス モビーが、そしてマツキタイジロウの艶っぽいギターが実に鮮やかに曲から曲へとビートをつなげていくので全くもってグルーヴが途絶えることがない。そしてグルーヴが途絶えなければ自然に観客の興奮も冷めることなくヒートアップしていくしかなくなるのだ。

今日のスクービーのライブは最初から最後までつねにテンションがあがりっぱなしのライブであった。曲間で音が鳴ってなくてもボーカル コヤマシュウのキレのあるMCが観客をあおり続けるのだ。客のテンションが下がるヒマなどなかった。コヤマシュウはまさにエンターテイナーだ。ここまでMCが一貫してすばらしいボーカルは他にいないと思う。

タイトでキレがありそれでいてしなやかな演奏はオリジナリティなんてとっくに通り越してまさしくコヤマシュウの言うところの「ファンカリズモ」だった。「ファンカリズモ」とはロックとファンクの最高沸点である。つまり分かりやすくいうとロックとファンクの融合なわけだ。

特に後半「TIGHTEN UP」「OH YEAH!」「Little Sweet Lover」「Funk-a-lismo!」の4曲連発には客はみな狂喜して踊り狂うほかなった。
こんな激しい4曲を休みなしで立て続けにやるなんて一体どういう体力してるんだと驚愕した。

「最高だよ!でもアンタら化け物だよ!」

そう思いながら私はUNITを後にして恵比寿駅へと向かったのだった。


ロックが好きな方、またはロックで踊るのが好きな方に一つだけいっておく。

「死ぬまでにスクービードゥーのライブに一度は行ったほうがいいぞ!じゃなきゃ人生大損だ!」

以上。


SUN SET LIVEまであと9日!!

2007年8月18日土曜日

「ジーザス・クライスト・スーパースター」鑑賞。


浜松町の四季劇場にて劇団四季「ジーザス・クライスト・スーパースター」を鑑賞。
イエス・キリストについての物語をハードロック、ファンク、ジャズといった現代音楽の激しいビートにのせてダイナミックに展開する力作であった。
劇団四季については詳しくないのだが、今日はユダ役の役者さんの歌声がシャウトの連発でロッケンロールしていてカッコよかった。
物語も中だるみなど一切なく常にクライマックスといった感じであっという間にラストとなった。

というわけで劇団四季にしてはかなりロック色の濃い作品でありその迫力に圧倒された1日であった。


SUN SET LIVEまであと13日!!

2007年8月16日木曜日

「ドリームガールズ」鑑賞。



2006年アメリカ映画
ビル・コンドン監

出演者の歌唱力と、テンポよいストーリー展開で誰でも楽しめるミュージカル映画だ。
とくにジェニファー・ハドソンの歌唱力はスゴイの一言につきる。

監督のビル・コンドンは「シカゴ」の脚本を手がけたとのこと。「シカゴ」は主演の3人の力でスピーディーに物語が軽快に進んでいったけどそれに比べるとこの「ドリームガールズ」はやや後味が悪いと感じてしまった。
それはこの物語が単なる夢物語ではなく、ショウビジネス界の裏側をメインに描いているのが原因だろう。ジェイミー・フォックス演じるカーティスが金と権力に執着してかつての仲間でも次々とクビにしていく点や、ジェニファー・ハドソン演じるエフィが己の歌唱力に自信がありすぎるがゆえにトラブルを起こし結局クビになってしまう事など、物語は終始モメ事だらけ。いくら「ドリームガールズ」が成功してもその裏では多くの人々が傷つき裏切られ憎悪の念が増えていく。エディ・マーフィー演じる落ち目のスター ジミーがドラッグで死亡する場面は象徴的である。これが現実なのかもしれない。
そしてビヨンセをはじめとした「ドリームガールズ」のメンバー達も結局そんな悪人のカーティスに依存してスターになっているのは間違いなく、「正義」とは程遠いなんとも中途半端なポジションなのであり、この結果感情移入しにくくなってしまう。

という事でハッピーなサクセスストーリーでは決してない「ドリームガールズ」。
とはいってもミュージカル映画としての勢いときらびやかな映像は十分楽しめる事は間違いない。
あまり深いことは考えずに、次々と繰り出される歌の数々に体と心を揺らせて楽しむのがいいだろう。

この作品中のビヨンセの歌声のように「軽い」気持ちで楽しむのがベストだ。
(生涯597本目の作品)

SUN SET LIVEまであと15日!!

2007年8月13日月曜日

「善き人のためのソナタ」鑑賞。


2006年ドイツ映画
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督作品

1984年ベルリンの壁崩壊前、共産主義の東ドイツを舞台に織り成すヒューマンドラマ。
物語展開も面白く見ごたえ十分で、かつ人物描写も豊かでとってもよく出来た作品だ。

国家保安省の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられていく。

全体を占める曇り空の落ち着いたトーンが、抑圧された人々の心理をよくあらわしており見事である。
割と静かな映画かなと思いきや、物語のテンポは予想以上によくて退屈せずに観ることができた。
ヴィースラー、ドライマン、クリスタ3人それぞれが共産主義国家の元に三者三様の悩みや葛藤を抱えながら終盤の悲劇へと収束していく様は実に美しく悲しい。特に国家側の人間でありながらも、盗聴していくにつれてドライマン達に魅かれていき、次第に業務遂行から道を外していくヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエの演技は見事である。冷徹そうな表情の中にもどこかで人恋しさ隠せない孤独な男を実に上手く演じている。

そしてベルリンの壁崩壊後にドライマンが自分の盗聴記録を国の記念資料館で閲覧する場面が素晴らしい。
椅子に座って自分自身について密かに行われていた盗聴作戦の沢山の報告書を読む場面では、歴史のおろかさと悲しさ、やるせなさが深い波となって観る者の心に押し寄せる。実に感動的である。

そして全てが過去となったラストでは、ほんの少しのやさしさと希望を画面に映してこの映画は幕を閉じる。このラストは決して派手ではないが実にここち良い。観る者は上品なカタルシスを感じる事ができるはずだ。

安易に泣かせる展開に頼らずに、史実を軸にじっくりと丁寧な作りで観る者の心に深い余韻を残す作品だ。
暑い夏の午後にカーテンで部屋を暗くして、しっとりと涼しみながら観るにはピッタリな作品である。
(生涯596本目の作品)

SUN SET LIVEまであと18日!!

2007年8月1日水曜日

森見登美彦「【新釈】走れメロス 他四篇」


日本文学の名作5篇を森見登美彦が舞台を現代の京都にアレンジして独特の視点で描いたちょっと変わったリメイク集。
収録されているのは
「山月記」中島敦
「藪の中」芥川龍之介
「走れメロス」太宰治
「桜の森の満開の下」坂口安吾
「百物語」森鴎外
以上5篇のリメイク版である。

森見作品だからといっていつもの一筋縄でいかない面白さと痛快さを期待すると肩透かしを食らうであろう。
全体的にトーンが暗く、人間の深層心理に潜む恐怖や悲しみを描いた作品が多いのだ。
そういった重さを全部吹き飛ばす唯一の痛快な作品がタイトルにもなっている「走れメロス」である。この「走れメロス」は全編森見節全開でありスピード感もあって実に面白い。こんな風に書いて太宰治のファンに怒られやしないかちょっと心配だ。

個人的に一番面白かったのは「桜の森の満開の下」であり実に怖い作品だった。
坂口安吾の原作を是非読んでみたいと思う。

森見自身によるあとがきに「この作品をきっかけに原典を手にとる人がふえることを願う」とあるが文学にめっぽう疎い私にとってはまさに良いきっかけとなる本であった。

全編通して難しい漢字が少なく文字も少ないので大変読みやすい。私はほぼ1日で読み終えた。
しかし原作が名作なので内容は深いのだ。
そして「走れメロス」についてはこれはもうリメイクというより森見の面白さとバカらしさが40ページほどにギュウっと凝縮された正真正銘の「森見作品」になっていると思う。

というわけで森見登美彦に興味のある人、原作に興味のある人、サラっと短時間で本を読みたい人などなど
多くの人にオススメできる作品である。

SUN SET LIVEまであと30日!!