2007年8月16日木曜日
「ドリームガールズ」鑑賞。
2006年アメリカ映画
ビル・コンドン監
出演者の歌唱力と、テンポよいストーリー展開で誰でも楽しめるミュージカル映画だ。
とくにジェニファー・ハドソンの歌唱力はスゴイの一言につきる。
監督のビル・コンドンは「シカゴ」の脚本を手がけたとのこと。「シカゴ」は主演の3人の力でスピーディーに物語が軽快に進んでいったけどそれに比べるとこの「ドリームガールズ」はやや後味が悪いと感じてしまった。
それはこの物語が単なる夢物語ではなく、ショウビジネス界の裏側をメインに描いているのが原因だろう。ジェイミー・フォックス演じるカーティスが金と権力に執着してかつての仲間でも次々とクビにしていく点や、ジェニファー・ハドソン演じるエフィが己の歌唱力に自信がありすぎるがゆえにトラブルを起こし結局クビになってしまう事など、物語は終始モメ事だらけ。いくら「ドリームガールズ」が成功してもその裏では多くの人々が傷つき裏切られ憎悪の念が増えていく。エディ・マーフィー演じる落ち目のスター ジミーがドラッグで死亡する場面は象徴的である。これが現実なのかもしれない。
そしてビヨンセをはじめとした「ドリームガールズ」のメンバー達も結局そんな悪人のカーティスに依存してスターになっているのは間違いなく、「正義」とは程遠いなんとも中途半端なポジションなのであり、この結果感情移入しにくくなってしまう。
という事でハッピーなサクセスストーリーでは決してない「ドリームガールズ」。
とはいってもミュージカル映画としての勢いときらびやかな映像は十分楽しめる事は間違いない。
あまり深いことは考えずに、次々と繰り出される歌の数々に体と心を揺らせて楽しむのがいいだろう。
この作品中のビヨンセの歌声のように「軽い」気持ちで楽しむのがベストだ。
(生涯597本目の作品)
SUN SET LIVEまであと15日!!
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