2007年8月23日木曜日

「ミッド・ナイト・ラン」鑑賞。


1988年アメリカ映画
マーティン・ブレスト監督作品

ロバート・デニーロの出演作の中で最も「面白い」痛快ロードムービーである。
高校時以来の鑑賞だったが文句のつけようのない面白さであった。

テンポよし、演技よし、物語よし、男の友情よし、と欠点のないバランスのとれた作品だ。

作風はわりと軽いコメディタッチだが、デニーロ扮する元警官のジャックは、過去にマフィアからの買収を断ったために警察から追放されて、家族までも失ってしまうというバックグラウンドを持つ男でありこの点は何気に深かったりする。正義を貫く者がなぜか社会から排除され、悪が生き残るという点である。

絶妙なのはデニーロの相手役でマフィアの金を横領した会計士デュークを演じるチャールズ・グローディンの演技である。落ち着いたトーンと品のある演技で頭のいい会計士を実に見事に演じており、アウトローでワイルドなデニーロの相手役として抜群の相性であった。

この男2人が追手から逃げるために旅をするロードムービーなわけだが、物語展開と2人の演技が実に面白く観ていて飽きることはない。今よりもまだ痩せていて動きにキレのあるデニーロもクールだ。
脇役もみなバカばっかりで憎めない。FBIとマフィアがジャックとデュークを追跡するのだが、どちらも無能で間抜けな人ばかりで組織として全く機能していない。

こういう映画は派手な映像とアクションばかりが横行する現代では作れないと思う。
ミッド・ナイト・ランは決して派手ではないが中身は丁寧に作られた傑作だ。

「悲しい映画」、「怖い映画」、「切ない映画」、映画にはいろいろあるが
ミッド・ナイト・ランが正真正銘の「面白い映画」であることは間違いないだろう。
(生涯598本目の作品)

SUN SET LIVEまであと8日!!

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