2008年1月16日水曜日

「フランドル」観賞。


2005年フランス映画
ブリュノ・デュモン監督

カンヌ映画祭でグランプリを受賞した作品だそうだ。
確かに、独特の力量とセンスを持った監督が現れたなという感じではあった。
ジャケットを見ると派手な戦争映画を予想されるかもしれないが、全くそうではないので注意!

全編退廃的かつ絶望的な暴力と性が蔓延しており、なんともしがたい、いや~なムード全開の作品。
がしかし、映像はかなりセンスがあり、1ショット1ショットが絵画のように美しい構図で切り取られている。
淡々と物語が進む中で、音楽を使わずまたセリフも少なく、登場人物の表情のみで語らせる手法をとっており、派手な演出の多い最近の映画とは一線を画しており斬新ではある。その結果、終始独特の緊張感が張り詰めており、気づけば画面に目が釘付けになっていた。特に戦争の場面の緊張感とリアリティはかなりのものであり目が離せなかった。
ただし登場人物が全員狂っているような感じであり誰にも共感できず、観ていてただただ疲れるだけの作品だった。人間描写とドラマについてはまだまだ荒削りな点は否めない。

キラリと光る独特の演出力にカンヌグランプリもある程度はうなずける作品ではある。
ブリュノ・デュモン監督、今後の活躍に期待したい。
(生涯615本目の作品)

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