ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督
2007年日本映画
大槻ケンヂの小説として有名な「グミ・チョコレート・パイン」が映画化。
3部作でかなり長い原作を、2時間の映画に強引にしてしまったように感じた。
物足りなさを感じつつも、悪くはない出来だったと思う。
原作のもっていた高校生の持つ特有の抑圧されたありとあらゆる欲望、そしてそれがどうにもならない虚無感、アンダーグラウンドな映画や音楽がそういった若者に放つ独特な魅力など
大槻ケンヂが伝えたかったことをよく映像化できてると感じた。
ただ山口美甘子があっさり自殺したっていう設定はいかがなものか。
原作ではそのような弱さを微塵も感じない、むしろこの世の全てを貪欲にのみこんでしまうようなキャラだったので、どうにも残念。
大体「この世はグミチョコレートパインだと思う。先に行ってしまう人はどんどん先に行ってしまう」っていう彼女のセリフが自殺されては全く説得力がないじゃないか!
それ以外はまあ良かったと思う。
石田卓也も悪くなかった。
黒川芽以は80年代的なアイドルという風貌に徹していて好感が持てた。
主演の2人がこの作品を良いものにしていたと思う。
欲を言えば、原作同様に3部作くらいな感じでやってほしかったね。
でも原作も後半はかなりめちゃくちゃな展開だから、映画化はこれくら強引なまとめ方が逆に良かったのかも。
というわけで総じてまあまあな作品であった。
以上!
(生涯642本目の作品)
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