2009年5月23日土曜日

「グラン・トリノ」観賞。


2009年アメリカ映画
クリント・イーストウッド監督

巷でやたらと高評価の「グラン・トリノ」を観てきた。
ラストのために全てがある映画といっていいのではないだろうか。

正直、黄色人種を題材にした理由がイマイチわからなかった。
北と南でいまもって分断されている「某国」についての隠喩なのかもしれない。
ワタシとしてはむしろこの作品はアメリカ自体の現状を描いているように感じた。

よく「衝撃のラスト」とか宣伝文句でかかげる映画が最近やたら多いけど、
この作品のラストがまさに「衝撃」であることだけは間違いない。
内紛が内紛をよび、侵略が新たな戦争を生む「暴力の連鎖」から脱却できない現代において、
イーストウッドなりの一つの「解決手段」を見事に描ききっているといえる。

中盤までは意外に軽くて、コミカルな作風で何度も笑いがでるほどである。
とっても観やすい映画であった。
ヘタな反戦映画よりはずっと面白くて感動すると思う。

一ついえるのは、これまで「目には目を」で「正義の暴力」を肯定してきた全ての映画に対してこの作品は疑問を投げかけているということである。
これ観ちゃうと今後一切のアメリカ映画を素直に見れなくなるかも・・・。

以上!!!一見の価値はある作品であった。
(生涯667本目の作品)

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