2011年5月8日日曜日

ローレンス・ライト「倒壊する巨塔」


連休中に読み終えた。
読み応え十分。
これまで読んだ本の中でダントツに面白い。

アルカイダとアメリカの双方をなるべくフラットに描いていて面白い。

とくに興味深かった登場人物はFBIのジョン・オニール。
彼はアルカイダからの攻撃を防ぐために奔走する。
が結局のところ事前に911テロの情報をある程度つかんでいたCIAが
FBIと連動しなかったため事件は起きてしまう。
しかもジョン・オニールはその直前にFBIを引退していて、
911当日に彼がいたのは、彼の第2の就職先である、
あの「国際貿易センタービル」であった。

これ読むと、アルカイダとオウム真理教には実に共通項が多い。
宗教を信じるが故のテロ行為。
自分たちの宗教を信じないものはたとえ女子供でも無差別攻撃してもかまわないという考え。

だが恐るべき事実はアルカイダの方が何倍も強力で、
殉教になんのためらいもないほど過激な思想で、
そしていまも全世界に存在しているという事実である。

ビンラディンの死によって
この世に新たなテロ行為が起きないことを心から祈りたい。

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