昨年の人気作品である吉田修一「悪人」。
ほぼ1日で読み終えた。
「悪人」というタイトルだが「日本人」でもいいじゃないかなんて思ったりした。
出会い系サイト、メル友、夢を持てない仕事、無趣味、孤独感、虚無感などなど、現代の日本人の「こころの隙間」をとりまいている諸問題をリアルに描いている力作だと思う。
舞台は北九州であり地方都市の閉塞感が登場人物達の心の闇をよりいっそう深いものにしているのであるが、舞台が東京でも十分通用する物語だと思った。
ある意味こころの「反面教師」として今後何度も読み返したい作品だ。
「こんなのドラマチックな恋愛でもなんでもない、ただの愚か者達による愚かな行為にすぎないのだ!」といわんばかりの衝撃的なラストがまたリアルでよかった。
やっぱ自分は大切にしなきゃいかんなと思った正月だった。
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