マイク・バインダー監督
2007年アメリカ映画
テロの被害者として心に大きな闇をかかえたアダム・サンドラーと、
成功を手にして裕福に暮らすドン・チードルの演技が実に対照的で見事。
二人とも素晴らしい演技だ。
アダム・サンドラーって髪が長いとめちゃくちゃかっこいいんだな。
9・11テロで家族を失い、心を閉ざしてしまった男と、彼と久々に再会した学生時代のルームメイト。
過去の友情によって助け合い、心を開いていくかと思いきや、そんなに簡単な話ではない。
物語展開は決してきれいごとでは進まないのだ。深い。
その分テンポも良くない。
主演二人は素晴らしいのだが彼らの周囲の人間描写はどうもイマイチ。
味方でも敵でもないようなあいまいな立場の人物が多い。
全体的に不完全燃焼な感じなのだが、これはあえてそうしているんだと思う。
それだけ問題は複雑なのだという事だ。
言い換えればそれだけ、あの事件が一人の人間の心に与える衝撃は大きく、そして現在もそれから完全に立ち直るのは困難なのだということではないか。恐らく2度3度観ても心に静かにそして重く響く作品だと思う。
これも現代ならではの作品だ。
(生涯634本目の作品)
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