2009年2月22日日曜日

「バリー・リンドン」観賞。


1975年 アメリカ映画
スタンリー・キューブリック監督

面白かった。

180分以上の作品であるが
あっという間にラストになった。
キューブリック作品はホントにすごい。

映像美はいうまでもなく、
この作品は特に光の使い方がすごい。
ロウソクの光だけを使った屋内のシーンが多いが、
重厚かつどことなく官能的であり、そしてまた退廃的な雰囲気がでている。
みてるだけでけだるくなってくる。

そしてキューブリック映画のワンカットごとに異常にはりつめる緊張感の原因が、この作品を観てようやく分かった気がする。
それはカメラアングルとそこに映る人物がムダに動かないということであるとおもう。
人物がしゃべる時も決して大げさな身振り手振りはせずに、顔もうごかさずに表情とセリフのみで演技している。
この結果なんともいえない緊張感がうまれているのだ。

時代は変わり現在の映画は110分くらいで、カメラはCMのように縦横無尽に動き回るものばかり。
180分以上でワンカットごとに異常な緊張感が張り詰めるキューブリック作品は現代人がみると
「タイクツで眠くなる映画」になってしまっているかもと思うととても悲しい。

こういう作り手の異常なまでの情熱と執着心が画面からあふれ出ている映画に出会いたいものである。

以上!!!
(生涯659本目の作品)

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