2011年6月19日日曜日
「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」鑑賞。
1992年アメリカ映画
アベル・フェラーラ監督
この作品は高校生のときからずっと見たかったのだが、なんとなく見ないまま今日に至り、
そして最近レンタル用DVDが出たようなのでようやく借りてみた。
ちなみにニコラス・ケイジ主演の同名作は一応この作品のリメイクである。 http://ishiken79.blogspot.com/2010/07/blog-post_9183.html
いやー、なんというか
すごい映画だった・・・。
ニコラスケイジ版とは全く違うじゃん・・・。
ハーベイ・カイテルファンならこの作品はマストでしょう。
これを観ずにカイテルを語ることなかれ。
彼が演じる主人公の刑事は、救いようのない汚れっぷり。
麻薬と酒にまみれ、野球賭博にずぶずぶとはまっている。
迷うことなく汚れまくりの演技が前半は炸裂。
野球賭博で自分が賭けている野球チームの試合を運転中にカーラジオから聞いているカイテル。
チームが負けたことを知るやいなや、あまりのキレっぷりにカーステレオを銃で撃ってしまうシーンがある。
これはもう、あまりのすごさに驚きを通りこして、笑ってしまった。
伝説のシーンだと思う。
そんなぶっちぎりの彼も後半から迷い出していく。
彼はキリスト教を信じている。
ここが彼の弱点というか、人間らしい一面である。
ある事件をきっかけに迷いだしていき、また、野球賭博で負けた借金がどうにもならなくなっていき、彼はどん底へ落ちていく。
あげくのはてには教会でこれまで犯した罪を嘆く。
そんな彼の迷いや苦悩は映画終盤になると泣くようなうめき声となって出てくる。
すごいうめき声だ。「レザボアドッグス」のラストのカイテルのうめき声を思い出しだが
あれの何倍も重くてしんどい。
あっけないラストも衝撃的というか、
最もな展開で、救いようがないわりには、妙に後味が良い。
というわけで最近観た映画の中では群をぬいて面白かった。
ハーベイ・カイテル出演作の中では最高傑作かも!!!
以上(生涯723本目の作品)
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